複数の任意後見人を選任した場合の代理方式の違い【共同代理 or 各自代理】

任意後見
宋さん

弟と甥っ子の2人に、任意後見人になってもらいたいんだ。

任意後見人の代理行為については、2種類の方式があるみたいだけど、どちらがいいのかな?

 

複数の任意後見人を選任することはできる

そもそもの話として、任意後見人は必ずしも一人でなければならない、というわけではありません。

複数名を任意後見人として、選任することは可能です。

たとえば、弟と甥っ子、従兄弟の3人に任意後見人になってもらう、ということもできます。

宋さん

もし一人だけだと、任意後見人が自分より先に亡くなってしまった場合や、病気になってしまったときに、面倒をみてくれる人がいなくなっちゃうな。

複数の人にお願いしておく方が安心かもね。

参照⇒任意後見がスタートしたあと、途中から任意後見人をもう一人追加することってできるの?

共同代理

共同代理は、複数の任意後見人が共同して代理権を行使する、という方式です。

何か一つの代理行為をするとき、必ず全員の任意後見人で行わないといけません。

これによって、代理人相互に監視を行うことができますし、代理人の過誤を食い止めることができます。

行政書士
行政書士

ひとりの代理人だけでは、ちょっと不安だな、ということであれば、共同方式の代理にして、代理人相互間の監視機能を強化したり、過誤を防止することができます。

ただし、共同代理の方式だと、任意後見人どうしの意見が食い違っていると、迅速に対応することができず、本人のための事務手続きがスムーズにできない、という弊害があります。

各自代理

各自代理では、それぞれの代理人が単独で代理行為を行うことができます。

共同代理のように、いちいち全員が足並みをそろえて代理する必要がないので、各自の判断でスムーズに処理を行うことができます。

各自代理では、それぞれの代理人ごとに役割を分担することもできます。

たとえば、

病院や介護など体調面の管理については、Aさんが代理をする。

不動産や株式などの財産管理については、Bさんが代理する、という分け方です。

 

宋さん

不動産の管理や株式の処分については、甥っ子の方が安心だね。

身の回りの世話のことなら、弟に任せたほうが気楽だね。

行政書士菅原
行政書士菅原

それぞれの任意後見人には、得意分野や苦手分野があるので、役割を分けることで専門性を発揮できますね。

任意後見人の負担が軽減できる、というメリットもあります。

 

結局どちらがいいの?

結論としては、「各自代理の方式」をとるのがいいでしょう。

後見事務の内容は、多岐にわたり、事務の迅速性が求められます。

たとえば、病院に入院する手続だったり、銀行から預貯金を引き出しにいったりと、緊急性が求められるシーンが多いです。

共同代理方式だと、全員の意思が一致しないと代理行為を行うことができず、なかなか事が進まなくなりますからね。

任意後見人どうしの監視機能を図るため、本人が特に希望するのであれば、共同方式もアリでしょう。

実務でも、各自代理の方式をとる方が多いようです。

宋さん

任意後見人どうし仲が良ければいいんだけど、いつどうなるかわからないもんね。

参照⇒【専門家の視点】任意後見制度を有効に活用する方法

 

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