専門家と死後事務委任契約を結んでおけば、親が亡くなったあとの手続は、全部そちらでやってくれるのよね?
この際だから、面倒な手続は全部お願いしておくわ!よろしくお願いしますね。
死後事務委任契約をしたからといって、死後の事務手続きの全てを契約内容に盛り込むことはできないんですよ。
遺言など一定の方式で行わないと、効力が発生しないものもありますからね。
今回は、死後事務委任契約で、「できないこと」について解説します。
死後事務委任契約でできること
まずは、簡単に死後事務委任契約の内容の主なものを挙げてみましょう。
- 死亡直後の緊急対応
- 葬儀・火葬に関する手続
- 納骨・散骨に関する手続
- 住居内の遺品整理
- 関係者への死亡の連絡
- 行政機関に提出する書類の対応
(死亡届、保険証や運転免許証などの返納) - 入院費・介護施設入所利用料の清算手続
- 公共サービス(電気・ガス・水道など)の解約・清算手続
- SNSやメールアカウントの削除
- 勤務先への連絡と退職手続
- 不動産賃貸借契約の解約・鍵の管理・家賃や敷金の清算手続
ざっと挙げただけでも、これだけたくさんの種類があります。
他にも、契約で定めれば色々ありそうですが・・・
生前の委任者の意向に従って、受任者が粛々と事務処理を行う。
死後事務委任契約でできることは、亡くなった後に必要な「事務手続的な要素」が強いといえます。
死後事務委任契約でできないこと
たとえば、以下の行為は、死後事務委任で定めることはできません。
- 財産の処分(≠遺贈で行うもの)
- 相続分の指定・遺産分割方法の指定
- 信託の設定
- 死後認知、未成年後見人の指定
(≠身分行為) - 死亡届の提出者となること
(≠資格要件)
大きく分けて、①遺言事項に該当すること、②事務を行うことができる資格が法令上限定されていること、の2点です。
①遺言事項に該当することは、遺言でしか定めることはできません。
財産の処分に関することや、身分行為などですね。
②事務を行うことができる資格が限定されている場合としては、弁護士資格であったり、税理士資格がないとできない事務は、当然ながら資格を有しない者に任せることはできません。
また、死亡届の提出についても、受任者だからといって当然に届出人として記入することはできません。
*なお、相続人や管理者に死亡届の届出人として記入してもらい、「使者」として、受任者が役所に提出しに行くことは可能です。
まとめ
死後事務委任を締結したからといって、死後の事務について、なんでもかんでも依頼することができるわけではありません。
遺産の処理については、遺言の形式にしたがって処理されますし、身分行為については、本人でなければすることができません。
また、法定の資格者でないと処理できない事務もあります。
「できること」、「できないこと」をしっかり見極め、複数の形式を組み合わせていくことになります。
財産を他人に引き渡すのなら「遺言書」が必要ですし、空き家にならないよう管理してほしいのなら「家族信託」という方法がいいでしょう。
死んだ後では、どうしても無理な手続であれば、生前にやっておく必要も出てきます。
いずれにせよ、手遅れになる前に一度専門家にご相談してみることをおススメします。
わからないことがありましたら、お気軽にご相談ください。
「調べてもよくわからない、、、」
終活や遺産整理、任意後見などは専門的な内容のためわかりにくい点があると思います。
そういった時は一人で悩まずにお気軽にご相談ください。
千葉市で相続・終活窓口を運営している行政書士 菅原正道(すがわら まさみち) が親身になって対応します。
LINEの「友達になる」ボタン又は、お問い合わせボタンから必要事項をご入力の上、ご連絡ください。
LINEで今すぐ相談
コメント