もはや国際相続は日常茶飯事!今後の在日中国人の相続はどうなる?

国際相続

「うちのお母さんは中国人なんだー」
最近、そういう子どもたちが増えてきました。
一番多いのが、母親が中国人で、父親が日本人というパターン。子どもは日本語に何の不自由もなく、ほぼ日本人と変わらない様子です。
次いで、両親ともに中国人というパターン。すでに自宅は日本で購入済みのようで、永住権も取得している方が多い印象です。

こういった在日中国人の方々にお会いする機会が増えるにつれ、つい将来の相続がどうなるのか、という疑問が浮かびかがってきます。

そこで、現在の在日中国人がどのくらいいるのか、将来どのくらい相続案件の可能性があるのか、について調査してみました。

在日中国人の相続の行方

全国の在日中国人の数

以下の表をご覧ください。在日中国人の年齢別/男女別の人口です(2020年12月末日)。
全国の在日中国人の数は、約78万8000人。すでに、島根県(約55万)、鳥取県(約67万)、高知県(約69万)、徳島県(約72万)、福井県(約77万)の人口を超えてしまっています。

年代
~19才まで 58,935人 52,906人 111,841人
20代 112,555人 99,881人 212,436人
30代 96,452人 120,024人 216,476人
40代 46,744人 80,901人 127,645人
50代 25,448人 45,757人 71,205人
60代 11,352人 16,333人 27,685人
70代 3,549人 4,209人 7,758人
80代~ 1,445 1,621 3,066人
356,480人 421,632人 778,112人

上記の表を見てまず思うのは、30代以下の若年層がかなりの割合を占める、ということです。この層だけで全体の約7割!

40代、50代と年代が上がるにつれ、人数は減ってきます。なかでも男性だと、40代以降になるとガクンと減ってきます。40~50代の層に限っていうと、女性の方が男性より2倍近くいることになります。

60代以上の高齢者数は、全体の5%弱。今はそこまで多くはありません。しかし、10年、20年先を考えてみましょう。日本に定住化する可能性のある今の40代から50代の世代に注目してください。彼らがそのまま高齢化すれば、20万人近くの高齢者が生まれる可能性があります。
そうなると、在日中国人の中で相続・遺言の問題が生じうることになるのです。

在日中国人の在留資格 ベスト10

日本国内にいる中国人の主な在留資格は以下のとおり。

順位 在留資格 人数
1位 永住者 283,281人
2位 留学 125,328人
3位 技術・人文知識・国際業務 88,662人
4位 家族滞在 74,886人
5位 技能実習 63,741人
6位 日本人の配偶者等 28,313人
7位 定住者 27,436人
8位 永住者の配偶者等 16,956人
9位 特定活動 16,894人
10位 技能 16,469人

永住者の方がダントツでトップ。留学で来る若い方も多いです。高い技術を持った専門職の方、そしてその家族も日本に多く集まっているようです。
中国に比べ、自由度の高い日本。今後もますます在日中国人の数は増えていくことが予想されます。

千葉県内の在日中国人の男女別・年齢別構成

続いて千葉県だけの在日中国人の統計です。

年代
~19才まで 4,689人 4,235人 8,924人
20代 6,740人 5,045人 11,785人
30代 8,068人 8,630人 16,698人
40代 3,991人 5,570人 9,561人
50代 2,014人 3,434人 5,448人
60代 764人 1,065人 1,829人
70代 175人 212人 387人
80代~ 66人 78人 144人
26,507人 28,269人 54,776人

千葉県内の在日中国人の数は、男女あわせて54,776人。東金市の人口(57,885人)とほぼ同数といえます。
すでに館山市(約4万4,000人)や富津市(約4万2,000人)、富里市(4万9000人)などの人口を超えています。

日本全体と同様に、30代までの若年層が全体の7割近くを占めます。

千葉県内の市町村別 中国人の人数

順位 市町村名 人数
1位 千葉市 11,985人
2位 船橋市 7,802人
3位 松戸市 7,236人
4位 市川市 6,601人
5位 柏市 3,691人
6位 習志野市 1,409人
7位 八千代市 1,323人
8位 浦安市 1,267人
9位 流山市 1,174人
10位 市原市 974人

千葉県内にいる中国人の数の分布をみると、ほぼ東京寄りの地域に集中しているようです。住み心地の良さや、子どもの教育、中国人コミュニティの結束といった要素から、東京に近いエリアに人気が集まっています。

自分の財産は日本国内にまとめておくと便利

資産が日本国外にある場合、その所有者が亡くなったあとには、国際相続の問題がありえます。
たとえば、中国にあるマンションの処理の仕方については、日本の法律ではなく中国の法律によって手続が進められます。

 

 

そうなると、現地で相続財産の管理人を選任する手続をしたり、帰国して中国人の法律の専門家に相談したりと手間のかかることが多くなります。日本人の相続手続でさえ、書類集めや財産調査など手間の掛かることばかり。それが国境を越えると、さらに複雑な手続になってしまうのです。

そこで、残された遺族に迷惑を掛けないようにするために、生前に所有する財産は日本国内にまとめておくとよいでしょう。
また、中国国内にある不動産は、生前に売却して金銭等に換価しておく、現地にいる親戚に管理を委託しておく、といった対策が必要です。

外国に生活の本拠を置くという選択をした以上は、死後の財産処理について早めに対策をしておくことをおススメします。

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