将来、私が認知症になってしまったときに備えて、親友のD子に任意後見人になってもらおうかと思ってるの。
幼馴染みで、姉妹のように仲の良い子だから、いざとなったときは私のことをしっかり面倒見てくれると信じてるわ。
もちろん、身内以外の第三者に任意後見人になってもらうことも可能です。
ただし、安易に任せてしまうのは危険です。
本当にその人に任せても良いのか、慎重に決める必要があります。
今回は、親族以外の第三者を任意後見人として選任した場合の問題点について、解説したいと思います。
任意後見人になれる人は?
基本的に、家族だけでなく、友人などの第三者とでも、任意後見契約を結ぶことはできます。
しかし、いざ任意後見監督人の申立てをするときに、以下の者に該当する場合、任意後見人になることができません。
- 未成年者
- 破産者
- 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人、補助人
- 行方の知れない者
- 被後見人に対し訴訟をした者、その配偶者、その直系血族
- 不正な行為や著しい不行跡、その他任務に適しない者
任意後見人は、本人の財産を管理したり、本人に代わって大きな契約を結んだりすることが任務となります。
本人のことを保護できるだけの適格性は求められます。
いい加減な仕事ぶりだと、任意後見監督人から「不適任」とみなされ、解任される可能性もあります。
選任の際に注意すべきこと
絶対にあいつなら信じられるさ!
小さいころから苦しいときも、お互い助け合ってきたからな!
受任者にお願いする時点では信じていても、安易に人を信じすぎたり、任せっきりにするのは危険です。
任意後見契約は、本人の判断能力が衰え、そして亡くなるまで続く「長期に及ぶ契約」です。
時の経過とともに、本人だけでなく、受任者の気分や体力にも変化が生じます。
本人の判断能力が衰えて任意後見契約の発効をする必要性が高まっている状態にもかかわらず、そのまま監督人が選任されず、放置されてしまう可能性もありえます。
悪質なケースだと、本人の異変に気付きながら、財産を食いつぶしてしまう輩も出てきます。
友人のA太郎の様子が最近おかしいな・・・
風呂にも入ってないみたいだし、部屋もメチャメチャ汚いし。
認知機能の衰えもあるようだが、まあ放っておけばいいだろう!
こういう人が受任者になると、任意後見がまったくの機能不全になってしまいます。
また、受任者の体力や気力の衰えの場合も考えられます。
5年前、友人のBに任意後見人になってくれと頼まれたんで、気前よくなってみたんだけど・・・
最近自分も体力が衰えてきて、他人の世話まで手が回らないんだよなー
ましてや親族でもない他人だし・・・なんかめんどくさいな。
せっかく締結した任意後見契約。
本人にとって実のあるものにするためにも、以下の点に気を付けてください。
- 自分より10歳くらい若くて体力のある人、健康な人を選ぶ
- 人選は特に重要。真面目で、責任感の強い人を選ぶ
- 複数の人に同時に依頼しておく
- 自分の希望を時間を掛けて伝え、お互いの意志を確認する場を多くもつこと
- 定期的に話し合いの機会を設け、必要に応じて契約内容の見直しをすること
解決方法
任意後見人にしっかりサポートしてもらうために、まずは、任意後見人受任者に、任意後見監督人の選任の申立てをしてもらうことで、任意後見契約の効力を発効させること。
そのためには、責任感や管理能力のある受任者が望ましい。
でも、その受任者がいざとなったとき、本当に自分のことを面倒みてくれるかどうかは、未知数・・・
そこで、親友などの第三者に依頼する場合は、①司法書士や行政書士などの専門家も一緒に任意後見人になってもらうことが一番でしょう。
専門家であれば、いい加減な対応をする可能性は低いです。
専門家としての信頼を維持するためにも、懲戒制度によって安全性は担保されているからです。
また、もう一つの方法として、専門家に任意後見人になってもらわなくてもいいので、②「見守り契約」や「財産管理委任契約」をお願いしておき、定期的に様子をチェックしてもらうことです。
定期的に本人(委任者)の様子を専門家に見てもらい、もし異変があった場合は、任意後見受任者に監督人の選任をするよう催促してもらうようにする。
そういう監視機能としての役割を専門家にお願いしておくことで、任意後見受任者の怠慢を防ぐことができます。
あれっ!最近、Bさんの様子があやしくなってきたかな。
そろそろ任意後見を開始すべきタイミングかも!
任意後見受任者のBさんに申立てをお願いしておくかな。
一人だけに任せるのではなく、確実に自分の身を守るためにも、複数の人に頼ることを検討してみましょう。
わからないことがありましたら、お気軽にご相談ください。
「調べてもよくわからない、、、」
終活や遺産整理、任意後見などは専門的な内容のためわかりにくい点があると思います。
そういった時は一人で悩まずにお気軽にご相談ください。
千葉市で相続・終活窓口を運営している行政書士 菅原正道(すがわら まさみち) が親身になって対応します。
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