任意後見って、専門家に頼むと毎月報酬が発生するんでしょ?親族や友人の方がタダで済むし、安心なんじゃない?
わざわざお金払ってまで頼むメリットってあるのかな?
こんなお悩みを解決します。
♦本記事の内容
専門家に任意後見人になってもらうメリット&デメリット
司法書士や行政書士などの専門家に任意後見人のことを依頼すると、いろいろな費用が掛かるもの。
「だったら、費用が掛からない親族や友人に頼んだ方がいいんじゃない?」
でも、実際のところ、親族や友人ではなく専門家に依頼する人は、任意後見契約をする人の全体のうち2割から3割ほどいます。
そこで今回は、専門家に任意後見人になってもらうメリットとデメリットについて、ご紹介したいと思います。
まずは、専門家に依頼するデメリットについてです。
専門家に依頼するデメリット
専門家に依頼するデメリットは、以下の3点が挙げられます。
- 毎月の報酬が発生する(任意後見人+任意後見監督人)
- 赤の他人なので、多少気を使う
- 職務の怠慢・横領の危険?
1 毎月の報酬
この「毎月の報酬の発生」が、最大のデメリットでしょう。
本人の判断能力が衰えて、任意後見人と任意後見監督人の両人の管理下に置かれると、最低でもこの2名分の報酬が毎月発生するわけですからね。
⇒任意後見にかかる費用って専門家にお願いすると、どれくらいかかるの?
本人にそれ相応の収入・資産がないと、任意後見人に支払う報酬分だけで、生活が苦しくなってしまいます。
2 「赤の他人」なので気を使う場合も・・・
第三者である専門家は、自分のことをよく知る身内ではない、いわば「赤の他人」です。
専門家とうまくコミュニケーションが取れていない場合だと、自分の言いたいことや希望をうまく理解してもらえない可能性があります。
身近な人なら、本人のクセや性格などを元々知っているわけなので、あらかじめ「察する」ことができるかもしれません。
しかし、もともと関係が薄い専門家の場合だと、本人の気持ちをうまく察することができず、希望どおりの後見業務ができなくなる可能性もあります。
他人だと気を使うことが多いから、自分の希望が言いづらいこともあるだろうね。
3 職務怠慢・横領の危険?
そう多くはないものの、「専門家である後見人が、本人の財産を横領していた」なんてニュースが流れることがあります。
もちろん、珍しいケースだからこそニュースになるわけですが、専門家だからといって「完全に頼りになる」というわけではない、ことは押さえておく必要があります。
また、後見業務を何件も抱えていて忙しい専門家だと、一人一人の管理をテキトーに済ませてしまうこともありえます。
自分が認知症になってしまったら、もう任意後見人がどんな対応をしているかを監視することは、自分ですることは事実上無理・・・
この場合、任意後見監督人が本人に代わって、任意後見人を監督することになるわけですからね。
ただ、監督人だからといって、完全に任意後見人を監督しきれるわけではありません。
自分の財産や身上監護について、任意後見人にしっかりサポートしてもらえるように、本人と任意後見人である専門家との間で、固い信頼関係が築けていることが不可欠です。
専門家に依頼するメリット
ここまで見てきて、どう感じましたか?
毎月の費用も掛かるし、自分の希望どおりになるかどうかも未知数だし・・・
やっぱ任意後見人は親族に任せた方が良い感じだな。
たしかに、身内で信頼できる方近くにいる方は、専門家に頼る必要はないかもしれません。
でも、ちょっと待ってください!メリットの方も見てみましょう。
専門家に依頼するメリットは、以下のとおりです。
- 時間と労力がかからない
- 身内には打ち明けられないことも、任せられる
- 信頼性が高い
- 身内に迷惑をかけずに済む
1 時間と労力の節約
任意後見人になると、任意後見監督人に報告するための書類の作成や、法的事務の申請手続きなど、やるべきことが、意外と多いです。
それだけでなく、契約段階では、任意後見人との契約書を公正証書で作成したり、いざ契約の効力開始のときは、家庭裁判所に申立書を提出したりと、任意後見人となる前の段階でも、やるべきことがあるのです。
⇒任意後見人のお仕事ってどんなことするの?任意後見人がいないとどうなるか解説
これでは、建物のリフォームや財産の処分をするときにも、いちいち時間がかかってしまいます。
何も知らない人だと、任意後見監督人に対する報告書なんて、毎回書くのは難しいそうだな・・・
専門家ならスムーズに事務処理をやってくれるから、時間と労力の節約になりますよね。
ミスも最小限に済みます。
2 身内でも話せないことがある
いくら身内とはいえ、距離が近すぎるがゆえに、話せないようなこともないでしょうか?
たとえば、「過去に大きな借金がある」、「離婚した」、「事故を起こして損害賠償金を支払続けている」etc…
そういった身内には話したくないようなことでも、赤の他人である専門家なら、むしろ心理的な抵抗は薄らぐというもの。
身内には余計な心配をさせたくないのであれば、あえて専門家に任意後見人に任せた方が、ドライな関係でいられます。
親族には余計な心配をかけさせたくないからね。
誰しも、人には知られたくないことが、1つや2つはあるもんだよね。
3 専門家の方が信頼性が高い
なんだかんだ言っても、やはり素人である親族や友人に頼るよりは、専門家の方が信頼性は高いです。
もちろん、専門家だからといって、完全に信頼できるとは限りません。
しかし、専門家は本人から報酬をしっかりいただいている以上、本人のために職務を遂行する率は高い、といえます。
よく、「タダより高いものはない」という言葉がありますよね?
報酬をもらわない親族や友人だと、どうしても気の緩みから、注意力が散漫になりがち。
でも、報酬をいただくからこそ、キチっと「仕事を頑張らないと!」という気にもなりやすいです。
たしかに、タダだとどうしても気持ちが緩むよね。
最初はしっかりやってくれても、時の経過とともに「人間なんて堕落する生き物」だからね。
4 身内に頼りたくない
「なるべく身内には迷惑をかけたくない、心配させたくない」
「自分の人生は最期まで、自分の責任で全うさせたい」
そういった「責任能力の高い」おひとりさまは、最近多いと言われています。
そういう人こそ、専門家の出番です!
任意後見契約を締結する前の段階から、時間をかけて専門家と話し合いをしましょう。
親族も年老いてきてるし、あまり迷惑を掛けるのもよくないよな。
専門家の行政書士の先生なら、何でも話せるし、むしろ親族よりも気軽でいいかもね。
身内との関係が疎遠になっている、おひとり様の方が非常に増えています。
その場合は、身内よりも専門家に任せた方が、むしろ安心ですよね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、任意後見人として専門家に依頼した場合のメリット&デメリットについて、お伝えしました。
ここで一番伝えたいことは、
信頼できる身内のいる方であっても、任意後見人としてカンペキではない
ということ。
大切な身内だからこそ、「話したくない」、「知られたくない」、「任せたくない」、「心配させたくない」。
こういうことは、誰しもあると思います。
専門家であれば、後見人として、粛々と職務を遂行してくれます。
もちろん、デメリットもありますので、デメリット分を少しでも解消できるよう、事前に契約前から綿密な話し合いをすることは不可欠です。
専門家を選ぶときは、後見業務に精通していることはもちろんのこと。
「話しやすさ」や「人柄」など、最後は「専門家の人間性」が決め手となるでしょう。
ぜひ、自分にとって最適な専門家探しをしてみてください。
わからないことがありましたら、お気軽にご相談ください。
「調べてもよくわからない、、、」
終活や遺産整理、任意後見などは専門的な内容のためわかりにくい点があると思います。
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千葉市で相続・終活窓口を運営している行政書士 菅原正道(すがわら まさみち) が親身になって対応します。
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